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高級多重債務

子会社の株主総会で解散決議し、その後の清算事務も終了し残余財産が確定すると、そこで清算確定申告を行うことになっています。
この申告は通常の収入マイナス費用といった損益に対する課税方法ではなく、簡単にいうと、残余財産の価額(時価)から資本等の金額(解散時の資本金および資本積立金)、解散時の利益積立金(赤字の場合はゼロの扱い)をマイナスした金額を清算所得としています。
したがって、課税されるのは解散前の資産の含み益です(清算所得に対する税率は三三%です)。
特に相当以前に購入した土地等は、清算期間中に処分されたものは売却益となり代金が残余財産に含められ(未処分のものは時価評価)ていますので、まさに時価ベースで課税されることになります。
 ただし、たとえば事業の失敗から多額の債務があるために、その処分代金はすべて債権者に返済されてしまっている場合には、残余財産が残っていません。
こうした会社の清算所得はゼロということになります。
したがって、過去に相当業績不振期間があり、債務超過に近い状態であるが当年度資金対策のために不動産を売却する予定の子会社があります。
この会社では税務上の青色欠損金の五年間の繰越控除は期限切れになっていて売却すれば当年度の法人税の負担が心配です。
こうした会社ではこうした解散も一つの検討テーマになると思われます。
なお、土地重課は会社清算の場合にも課税されます。
 資産デフレでひところの上地ブームはなくなったとはいえ、戦後のわが国の経済成長の中でも着実にインフレヘッジをしてきたのが土地に対する投資です。
会社の決算書に申しわけ程度の金額で寺小されている土地が実はデフレ下であっても時価数億円というのはよくある話です。
このように時価ペースで計算すると利益を含んでいることを含み益があるといいます。
 さて、会社経営者の間では、昔から「土地を売ったら、土地を買え」といわれています。
 さらに、会社によってはこうした土地をより将来性のある土地に変えていく努力をしています。
しかし、古い土地を売却し新しい土地を購入するとき、通常の方法では売却益に課税されてしまいます。
こうした事態を避けるには、これから述べる交換や特定資産の買換えの圧縮記帳制度が役に立ちます。
 土地を交換するのは、「商売上どうしても欲しい」、「不整形地を整形地として利用したい」、「借地権をはずして更地にしたい」などの場合があります。
 さて交換といっても、税務の原則は通常の売買と異なるところはないはずで、手放した土地の時価から帳簿価額を引いた売買益に課税されます。
しかし、手放した土地と交換で取得した土地との間に同一性が認められる場合は、例外として、売買益に課税せず、新しく取得した土地は、手放した土地の帳簿価格を引き継ぐという取り扱いがあります。
 これは「交換による圧縮記帳制度」とよばれる大変便利な制度で、条件さえ整えば、第三者との交換だけでなく、会社と役員や親子会社間でも利用できます。
重要なポイントは、交換によって手放す資産の時価と取得する資産の時価との差額(交換差金)がどちらか多い時価の二〇%以内であることです。
 そこで、次に双方の資産の時価(交換時価)の決め方が問題となります。
税法上、交換時価は、原則として交換時に通常成立する市場価額であるとしていますが、一般的に時価算定のよりどころとしては、公示価額、相続税評価額、最近の売買取引事例が参考となります。
 もっとも、これらの価額はあくまで参考であり、交換が正常な取引ベース(ビジネスペース)でなされていれば、当事者の合意価額でもよいとしています。
この取り扱いは、恩典的であるところから、税務署は合意価額について厳しくチェックしています。
時価の決め方が、無税交換となるか、通常の売買として多額の税金を支払うのかを左右します。
 企業の土地売却を促進させて、公害問題の減少や上地の過密化、過疎化の解消などの目的のために、国は租税特別措置法で「特定資産の買換えの特例」を定めています。
この特例は、会社が土地などを売却したとき、すぐには売却益に課税しないで、課税を将来に延期してくれる制度です。
この買換えの特例を受けることにより、資産価値の高い土地を積極的に増やしている会社も見受けます。
 P社の実例=S区に工場があるP社は、S区の工場を売却し、その資金でS県に新工場用地を取得して大幅な生産拡大を計画しています。
S区の土地売却では三億円の売却益を計上しましたが、特定資産の買換えの特例を使ったので課税所得の増加は六〇〇〇万円しかありませんでした。
このように買換土地の取得価額を五億円から二億六〇〇〇万円に圧縮減少するのを「圧縮記帳」と呼びます。
 特例の注意事項=特定資産の買換えの特例は、譲渡資産と買換資産とがヒモつきで特定されています。
そこで、譲渡、買換資産がこれらに該当し、かつ、その条件に合致していることが必要です。
買換えのパターンとしては、過密地域からの転出、誘致地区への転出、既成市街地等内での移転、などが主なものです。
ここでは、買換えの特例を適用するにあたって注意すべき点について述べます。
 買換えの特例は免税ではない=買換えの特例により課税を逃れても、買換資産の取得価額は圧縮記帳により低くなっているので、将来売却処分すると多額の利益を吐き出して、法人税負担が増えることになります。
土地の場合はその後も保有し続ける場合が多いことから、免税に近いのですが、土地とともに取得した建物などについて圧縮記帳した場合には、取得価額が低くなっていることから、減価償却計上額が少なくなり、減価償却の計上期間に少しずつ利益を吐き出していくことになります。
つまり「特定資産の買換えの特例」は、特例を使った時点で免税になったのではなく、課税を繰り延べているにすぎないということに注意してください。
 土地重課制度に注意=取得後五年以下の土地(短期または超短期の土地重課対象資産)を売却する場合は、圧縮記帳の特例を受けることはできません。
  所有期間が五年超の土地を譲渡し、圧縮記帳できた場合にも一〇%の土地重課がかかります。
 ただし、圧縮記帳した金額は譲渡費用として認められますので、土地重課は圧縮後の譲渡利益に 対して適用されます。
 特定資産の買換えの特例は、旧土地の取得日の引継ぎを認めず、買換えした日を新しい土地の取得日とします。
したがって、買換土地の次回売却時は、その売却益に課税されるだけでなく、過去に圧縮記帳した分についても土地重課が取り戻されることに注意してください。
圧縮記帳の期間制限=買換資産を取得するにしても、期間制限があります。
譲渡した事業年度内に取得できれば問題ないのですが、不可能な場合は、翌事業年度一年間内に取得すればよいことになっています。
また、工場建設に通常要する期間が一年以上かかるなどやむを得ない事情があるときは、三年間を限度として税務署長が認めた期間まで認められます。
 買換土地の面積は、譲渡した土地の五倍までとなっています。
買換資産の取得時期の制限、棚卸資産としての土地の適用除外などがありますが省略します。
 法人税の原則からいえば、土地を購入するのに要した借入金の支払利子については、負担した事業年度の費用と処理することができるはずです(会社の任意で取得価額に算入することも可能)。
 
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